二人目の犠牲者、それを生み出したのは……

nemusame_20160518_004

ドキッ!いきなり吸血鬼になっちゃった!なんて軽い感じとは全く正反対の流れでとことん重苦しく突如として吸血鬼となってしまった普通の高校生の苦悩と孤独と葛藤を描く、押見修造版現代吸血鬼物語「ハピネス」の3巻は闇がさらに闇を呼ぶ展開となっています。

第二の犠牲となったのは、当初いじめっ子、その後友人となった勇樹くん。巻き込まれ系吸血鬼が2人になったことで今後の展開がさらに広がりそうです。そもそも岡崎1人だとあまり行動に移さないから話が動きにくかったのでしょうか。行動派で吸血鬼であることを受け入れる勇樹が出てきたことでもっと能動的に動くことになるでしょう。


nemusame_20160518_005
nemusame_20160518_006

正直なところ、押見修造の作品は絵での表現が素晴らしくあっという間に読み進めてしまういます。それがゆえ、じっくり描写されているようなところがあっても全体で見るとストーリー自体はそんなに進んでいない感じがしたり。「ぼくは麻理の中」よりは展開が早いとは思いますが、それでも中々話が進まないと錯覚してしまったり。まあこれが押見修造の味なので、面白いのは間違いないですが。とはいえ、五所さんの打ち明け話やノラとの逢瀬があったりとしっかり話も進んでます。

割と続き気になるので次巻期待だなー、楽しみ。


前巻までの感想はこちら (ハピネス - 押見修造が書く現代吸血鬼物語)

眠気覚め度 ☆☆☆