世界的に有名な傑作「モンテ・クリスト伯爵」のコミカライズは1巻に集約された珠玉の力作!

モンテ・クリスト伯爵。日本版では巌窟王というタイトルで有名な世界中に知られる名作。
みなさんも一度はその名前を聞いたことがあるでしょうし、原作を読んだことがある方も多いと思います。
そんな有名作を原作にするのですから、面白さはほぼ確約されるというものです。
あとはそれをコミカライズする力量。如何に面白く、如何に漫画的表現でその世界を表すのか。 

実はこの作品、あとがきにも記載されていたのですが、作者の森山絵凪の初単行本となるようです。
そしてその画力、表現力は如何ほどなのか?

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これですよこれ、圧倒的な画力。本当に新人かと疑ってしまうほどの緻密さ。
まずコミックを開いて最初の絵が飛び込んできたので正直度肝を抜かれました。
この緻密さ、表現に圧倒されたのです。この時点で絵の方は文句のつけようがなくなりました。


序盤の復讐を誓うまでの流れも秀逸で、一気に引き込まれることになります。

牢獄での怒りを曝け出すシーンとか、
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脱獄してモンテ・クリストの財宝を手に入れて復讐を誓ったシーンとか、
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というように話の中の絵もイケてるしね。
あれだけ緻密なのに、ホント読みやすい。すごく漫画向けの絵になっています。


特にメルセデスと再開したシーンの見開きとか凄く素敵。

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台詞などいらない、絵だけでそのシーン、そしてそれぞれの感情まで読み取れてしまう。
そういう私の大好きな漫画表現もばっちり描ききれています。
こういう作品に出会えることは本当に嬉しい。



そしてまた、話自体も展開が上手い。
元々全7巻の小説を1冊のコミックにまとめてるわけですから、様々な箇所を端折らなければならないわけです。
それなのに、抑えるところはしっかり抑えています。一部やはり「ん?」となるような展開はありましたが、それほど気にはなりませんでした。
逆に1冊で終わらせるためにポンポン進むので展開の早さ、疾走感は抜群です。

逆に言えば、原作を知っている人に取っては物足りない感じでしょうか。
かくいう私は原作は未読ですが、端折った話があるのであればもっと丁寧にしっかりと、この作者、森山絵凪さんの絵で読みたいところです。
それくらい、この作品は凄かった。だらだら長く描くよりもずっといい。本当に眠気が覚めたこれは。


というわけで、モンテ・クリスト伯爵が未読でも既読でもオススメです。
1冊でまとめられたこの作品、漫画好きには是非とも読んでいただきたい。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆