福本伸行絵そのままで表現される利根川の、中間管理職の苦悩!巻末のおまけには福本伸行本人の書き下ろしがあるぞ!!

かつてこれほど徹底的にギャグに走ったスピンオフがあっただろうか。
そんなことを思わせてしまうほど秀逸な作品に仕上がっているのが「中間管理録トネガワ」です。

舞台はカイジがエスポワールに乗る前の帝愛の話から始まります。
基本となるのは兵藤を喜ばせるための新しいゲームを考えるという会議です。
その会議を行っているのがチーム利根川となります。利根川が上司の1チームですね。

そんな会長からの無茶振りに答えるべく一生懸命会議をしてアイディアを取り出し、さらにそれに参加する部下に対しての気配りをしなければならない。ホント、現実の中間管理職と同じ立場です。

そしてまた、帝愛の黒服というのは基本サングラスに黒スーツなわけですから、パッと見では特徴もクソも無いわけです。
が、しかし、上司である利根川はそれぞれをしっかりと把握し評価をしなければなりません。
部下の力を借りて自分の出世に繋げるわけですから当然です。まるで普通の企業ですね。

そんな苦悩があるにも関わらず、部下は似たような名前ばかりだったり同じ趣味ばかり持っていたりと一筋縄ではいきません。利根川の、あのカイジ達を苦しめた利根川の現実がこうして白日の元にさらされるわけです。


こんなのが面白くないわけがない。


会議で部下達と意見をぶつけ合い、そして部下達の慰労のために旅行会へ連れて行く。
さらに自腹で超高級ステーキや酒を振舞い、自ら率先してバーベキューを焼いていく。
ビールが無いなら金を渡して買って来いと言うし、バーベキューの鉄板が錆びていたら自ら代わりの鉄板を探していく。
まさに気配りの出来る上司!独りよがりで押し付けの慰労ではないこの努力!

あれ、もしかして利根川って実は理想の上司なんじゃないか?

理不尽なことはなかなか言わないし、褒めるところはしっかり褒めるし。
まあ多少は保身のために会議の内容を白紙にしちゃったりするけど。
少なくともこの情報からだけなら悪い上司じゃないぞ。


とまあ、こんな感じで利根川の苦労を笑いながら読めるわけです。カイジファンなら買い。
だけど、本当の本編はオマケページにあり。

冒頭に書いた通り、巻末書き下ろしで福本伸行がこのネタをまんま書いてるしキレがすごい。
黒沢なんて目じゃないくらい笑える。初期の黒沢並に面白い。

そして話の途中に入るおまけページの部下の黒服一覧が秀逸。腹抱えた。

ただなー、これ巻数伸びない内は面白いと思うけど、だらだら延ばされたらつまらんくなるだろうなー。
あと数巻でビシッと終えて「地下1050年伝説一条」とかも描いてほしいかも。


2巻の感想はこちら (中間管理録トネガワ 2巻 - 1巻と比べるともう失速してしまった感があるか!?)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆