事細かに描かれる剣術の体捌き指南漫画かと思いきや古代ローマやフランスや三国志の時代にタイムスリップ!

はい、前回の「剣術抄 新宿もみじ池」で触れた通り、その前作の「剣術抄」の紹介となります。

もうね、内容は上記の通り。剣の名人が古代ローマのコロシアムでグラディエーターと戦ったり、フランスに行ってフェンシングや銃と戦ったり、三国志の時代で剣を振るったりやりたい放題。
これだけで十分面白そうじゃないですか?実際これがまた面白いんですよ。 


最初は農民が復讐のために剣を習いたいというところから始まりますが、この剣の名人の辻月深はそれを無視して不思議な天女とセックスを始めてしまうという頭からいきなりとんでも展開。
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その後、紆余曲折あって(というか目の前で自殺されると糞尿の片づけが大変だからという理由で)弟子入りを認めて始まる剣術指南。これがまた色々と細やかで読み応えがあるのです。 
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内容も「剣術には無駄な筋肉など必要ない。切断せずとも動脈等の急所を切ればよい」というような理に適ったもので感心させられます。
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その後は道場破り的な相手の宍戸梅軒の子孫と戦ったりと、ここまではまともな時代漫画となっています。
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そして次に相対するのは古代ローマの剣闘士。
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ね?突然すぎてわけのわからないとんでも展開だけど引きつけられるでしょ?



しかも古代ローマから戻るとまた普通に剣術指南の話をしばらくして、気が付いたら、

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今度はフランス行ってるんだもん。



なかなかこんな飛びぬけた展開の作品は無いと思います。それだけで十分面白い。
だのにだのに、内容もしっかりしていて読み応え抜群です!


この後は
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呂布と仕合ったり



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呂布と酒を飲んだりもするからね!


呂布と立ち会って死なずに済むとかその結果呂布と酒を飲むことになることになるとか誰が想像しただろうか。
※江戸時代の剣の名人のお話です





しかもその後はタコの話だしね!剣術どこいったよ!!
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とまあ、後半はネタっぽく扱ってしまいましたが、先ほども書いたように中身は抜群に面白いです。
剣術にも詳しくなれるし、歴史上に名人がいたらどうなっていたかという if の話としてもグッドです。
こんな設定、滅多に見れるものではありません。まさに掘り出し物、もっともっと認知度が上がってもいい作品だと思います。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


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