nemusame_20151104_003
泥沼のどん底から這い上がる!!!


タイトルの通り、3月のライオンの外伝作品が本作「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代」です。
1969年、昭和44年が舞台の将棋よりの3月のライオンです。
この1巻の時点ではどちらかというとかつて負けた、化物と称される名人に再挑戦していく話に重きを置いています。
なので、基本的には対戦、対戦、対戦。
強敵を次々と打ち破っていくような流れとなります。

つまりは将棋バトルものでアドレナリン全開で全力でぶつかり合う漢の戦いです。
しかも西川秀明の元々の絵の美味さも合わさって迫力がもの凄く、鬼気迫るものがあります。
なので当然面白いです。



と、なるはずだったのですが、、、
なんでなんだろう。なんかいまいちピンと来ません。
はっきり言うとそんなに心に響かない。
比べる対象が3月のライオンとなってしまうからというのもありますが、本編の方がずっとずっと心に響くし面白い。
心理描写の違いかな。本編はすごく丁寧に心理描写して思わず作品内に溶け込むくらい没頭してしまうけど、
これはどちらかというとヒーローを見る感覚。カッコいいヒーローが大活躍する活劇を見ている感じで、あくまで第3者視点になってしまうというか。
うーん、良くも悪くもZMANなんだよなあ。やはり作者が違うからか、本編とはベクトルが全然違います。

また、バトル将棋はハチワンダイバーみたいな極端なケースがあるので、
単にバトルとして楽しみたいならハチワンを読んだ方が面白いです。

そうか、ここまで書いてわかった、描写がカッコつけに見えてしまうんだ。
ここでガッといったらカッコいいし、ここで対戦相手の過去話を持ってきて勝ちへの執念の見せれば面白くなるだろうという書き方が見えてしまう。
つまり、キャラクター全体がカッコつけてしまっている。
何が言いたいかというと、人間の弱さが全然描画されてないんですよ。
長所も短所も、光も闇もあるからこそ人間だし、その人間臭さこそが読み手に訴えるための最大の力なわけです。
その弱さの描写が無い。悩み、葛藤し、誰かを傷つけたり、傷つけられたり、そんな打ちのめされてもなお立ち上がり、弱さを克服していくような感覚が無い。
無いから、キャラがとにかく強い。将棋で負けたら勝つためにひたすら必死になれるし、不幸な過去があってもそれに立ち向かう強さが既にあるし。
そんな成長しきった状態からの描写だからこそ、第3者的な視点での活劇になってしまう。

っていうことなんじゃないかなあ。そんなに面白さを感じなかった理由は。

とはいえ、ここまで否定しまくりでしたが、それは3月のライオン本編と比べるとというだけで、
普通に読む分には十分面白いかと思います。とりあえず継続して読み続けてみます。


2巻の感想はこちら (3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 2巻 - 1巻より面白くなったぞ!)

眠気覚め度 ☆☆☆