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「好きなもんは好きなんだよ!!! 意味ばっか求めてんじゃねーよ!!!!」


もう7年近く前の作品になりますが、Kindle版が170円だったので再購入。やっぱり面白い。
「FLIP-FLAP」はひょんなきっかけで好きな女の子と付き合うためにはピンボールのハイスコアを更新してと言われて始めたものの、ピンボールの奥深さ、その楽しさに目覚め、気づいたらピンボールを楽しむこと自体が目的になってしまった物語です。

うーん、手段が目的になったとか仕事じゃやっちゃいけないことなのでなんともそう書いてから違和感が。
まあ、この作品の場合は手段も目的もどっちも最終的に行き着く先は同じだからいいのか。

当初はピンボールなどやったこともない主人公の深町でしたが、片思いの相手のピンボールに真摯に、本気で向かう姿に圧倒され、徐々にそれに惹かれていき、遂には彼女と同じ領域に入ってしまうほど本気でピンボールに立ち向かい始める様は本当に見てて気持ちのいいものです。

人が何かを好きになる、そしてそれに本気で、命を懸けて向かっていく。
例えそれが他人から見て滑稽であっても、本人が本当に本気なら、それは誰にも馬鹿にできないことだし、素晴らしい尊いものなのです。
そういった熱い展開が1冊中ずっと続くのが本当に心地よい。人の本気とはなんと美しいものなのだろうか。

そのままあっという間に片思い相手の山田さんを越える腕前になり、ハイスコアアタックは続き、
遂にはギャラリーが大勢発生し大いに盛り上がらせるまでになってしまう深町。
それに反するかのように、深町の集中力は増しに増して、

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完全にギャラリーの騒音をシャットダウン。
研ぎ澄まされた集中力の前には自分とピンボール。
その世界に没頭する。自分だけの世界で本気で「好きなもの」に熱中する。



そこまでの変遷も深町の成長、心境の変化、ピンボールに対しての好きの度合いの変化がゆっくりと確かに感じられた上でのこの表現ですよ。
興奮しないわけがないですね。最高。
読んでるこっちも没頭して、思わず時間も忘れて読みふけってしまいます。


いやー、良かった。1巻完結で読みやすいし、今はKindleで安かったから170円で買えたし。
万人にオススメ出来る傑作です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆