「このマッチはただの火種。妄想は願望の一端。責任も覚悟も必要もございません。それでもよろしいならいかがです?」

マッチが火を灯している間の妄想が具現化する。そんなマッチをテーマに人間の心を描くオムニバスが「燐寸少女」です。
基本的に1話完結で、マッチ売りの少女リンを中心にマッチを使う側が入れ替わるという展開です。
この作品、何が素晴らしいって、勧善懲悪ではなく、基本的にマッチを使うことになった人間の心の弱さを描いているのが素晴らしい。
心の弱さということは人間のドロドロしたところが見れるということです。

これを如実に表現しているのが3話目の美術学生のお話。
一学年上にいじめられている先輩がいて、毎回毎回作品を切り裂かれてしまっている。
その場に居合わせた上級生はいじめのようにその先輩を責めるものの、切り裂いた犯人では無いと言い切り、たまらず3話の主人公はその本心を覗いて本当に犯人では無いかと知りたくなる。
そしてマッチの力で覗いてみたところ本当にやっていないという事実。
では、一体誰が?そして何故こんなに執拗に? 
そうやって犯人探しを探すうちに、人の心がわかってしまうということで次第に興味は他人の自分への作品評価へと変わっていき。。。
この話は主人公の心の切り替わりも見ていてその気持ち悪さが素晴らしいし、何より最後の最後に描きあがったその先輩のタイトルがアレなんだからとても素晴らしい締めでした。

こういったドロドロとして部分を見せて、必ずしもこのマッチを使ったところで幸せになれるわけではないという持って生き方がたまらないです。 
簡単に手に入るものは人を幸せにはしないということを教えてくれます。

そんな典型が1話ですね。

モテたいという妄想からマッチを擦り、
nemusame_20151013_003


その妄想は具現化するッ!
nemusame_20151013_004
 

するとたちまち大人気に!
nemusame_20151013_005
 

これだけでは欲望はとどまらず、、、
nemusame_20151013_006
 

こうして地球上全ての生物からモテることになった主人公。
そしてその末路は。。。
nemusame_20151013_007


この救われない結末。たまりませんな。
オムニバスでラクに読めるので、こういう人間の心をテーマに描いた作品が好きな人には是非。
まだ2巻までしか出ていないので、全巻読破も簡単です。


眠気覚め度  ☆☆☆