「いいじゃん、どうせ死なないんだし」

死というものが極めて軽率に扱われる歪な世界。それは命を落としても瞬時に復活するから。
果たしてその世界に真実の愛は存在するのか。

というわけで、「不死の猟犬」 3巻の感想となります。
この作品、何が上手いって、そもそもの世界観の設定が上手い。

その世界に住んでいる人間は、一般的な人間と何一つ変わらない生活を送っていますが、異なる点はただ1点、「死んでもすぐに傷が完治して復活する」ということにつきます。 
そのため、死ぬということに対して非常に軽い世界観です。まあそもそも死んでも復活するのだから、それが死ぬと言えるのかどうか疑問ですが。
例えば、この設定の為にこの世界には病院が存在しません。

Q. 病院が存在しないのですが、重度の風邪を引いて苦しいです。どうしたらいいですか?
A. 頭を銃で撃ち抜いて死から復活してください。それで完治です。


という冗談のような流れが当然のごとく行われる世界観がこの「不死の猟犬」となります。 
戦闘時に重症を負った場合も同様です。同僚に頭を撃ち抜いてもらいます。
そういう世界がゆえに、死なない程度の最大限の苦痛を味わわす拷問は重罪となるようですが。

そしてその世界に紛れ込んだ、蘇生が出来ない人類。見た目は蘇生する人々と全く同じですが、当然の復活しません。いわゆる私達の世界の人間と同じです。
この2者が愛し合い、蘇生する人類が蘇生しない人類を心から愛してしまった場合、蘇生が出来ない人類になってしまう。
そんな愛と死、人間と人間のように見える蘇生可能な人々の対立を描くのがこの作品です。

正直、個人的にはこの設定だけでよだれもの。それに加え、作者の八十八良はもともとエロ漫画出身なので絵が非常に上手いです。絵だけでもグイグイ引き込まれ、この設定に、さらに銃撃戦です。たまらん。
色々とネタバレになるので細かいことが書けないのが惜しいですが、かなりオススメしたい作品の1つです。
(死んでも復活という設定は「亜人」と同じようなことはしてるけど、こっちが先?どっちでもいいけど)

で、肝心の3巻の感想ですが、白雪姫の曲がっているけど純粋な人間臭い感情にゴクリとし、雁金というこの半殺しこそ正義のような世界観に現れる絶対的なサディストに心魅かれ、剣崎とリンの展開にドキドキな3巻でした。


白雪姫のなかだしが見れるのは不死の猟犬 3巻だけ!!
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4巻の感想はこちら (不死の猟犬 4巻 - 逃がし屋絶体絶命)

眠気覚め度 ☆☆☆☆


八十八良はネット上のタルタロス劇場の頃からずっと追ってるけど、なかなか人気出てこないから特集組もうかしら。
その場合、Kindle版でウワガキを買いなおす必要がありそうだ。