「戦力としての騎士はすでに…最強ではないのだとな…!!」

1300年代のヨーロッパ戦争を描く、傭兵の物語「ホークウッド」の7巻です。 
当時の時代背景から、世は騎士道精神全盛期。
騎士が行う戦争といえば広い平原で正々堂々と騎馬兵同士が突撃して打ち合う。
それが騎士道。策謀、計略など恥ずべき行為である。
そんな精神論、信仰が当時には根付いていたのです。

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7巻で始まるのは1346年のイングランドとフランスの戦争。
時代背景的にはまだ銃が出てくる100年くらい前なので
猛スピードで突撃する騎兵に対しては歩兵は壁にならず、弓兵も狙いを定めることも出来ず、
また、前述のように正々堂々というのが根底にあったので、罠も仕掛けずで、
それはそれはまさしく騎馬兵最強の時代だったようです。
ランスを構えて突撃する騎馬兵。上記前提条件からでは他に太刀打ちできるものがありません。

そんな騎士道精神に基づいて戦争の準備を進めるイングランド軍とフランス軍。
イングランドの王、エドワード3世は、広い平原に陣取ると着々と戦争の準備を始めます。
自陣の前に穴を掘り、その穴の上には鋭い先端の杭を何本も用意する。
そして全ての歩兵に弓を携帯することを命じる。
ここまで書いただけで、この手の話が好きな諸兄は全て騎馬兵の大群を蹴散らすための準備だとわかるでしょう。
しかし、当時としてはこの奇抜な作戦は実際に展開されるまでその効果を皆はっきりと理解することが出来ません。
いえ、想像することすら出来ないのです。

※ただ、色々な策略を用いる主人公のホークウッドすらその真意に気づかないのは不思議に思ったり。これはエドワード3世を際立たせるためにそういう反応にしたのかな。


そして遂に対峙するイングランド軍とフランス軍。
平原に大量に陣取った双方の全騎馬軍。戦争開始となります。
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結果、エドワード3世の騎士道精神を踏みにじる策略が炸裂


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うーん、痺れました。王であるからこそ、負けることが許されない立場だからこそ、
最強の存在とされる騎士の脆弱性を突き、合理的な策略を持って完全なる勝利を目指す。
将軍も、王太子のエドワードも疑うことの無かった騎士道精神、策略を弄するは恥ずべきことという根深い信仰があった戦い。
しかし、王ただ一人が、その合理性を深く理解し振舞った。


これ、蒼天航路の曹操と通じるものがあるんですよね。徹底的な合理性と判断力による策略。
感情、信仰など露知らず、ただひたすら最大の効力を得るために最も効率的で効果的な方法を実践する。
正直、ホークウッドで、しかも主人公じゃない人物でこのような展開が出てくると思っていなかったので驚きです。
どっちかというとエドワード3世はかませだと思ってました。
なので自分の中でホークウッドのエドワード3世は株価爆上げ中。
こんなキャラ出てくるなら面白いに決まってるよこの作品。
頭で戦う戦争モノが好きな人は必見。


最終巻の感想はこちら (ホークウッド 8巻 - まさかの打ち切り完結!!)

眠気覚め度 ☆☆☆