死んだ弟の結婚相手は男でした
設定だけで門前払いにちょっと待った。同性愛者への理解を深めるための作品です。

弟の夫。そのままです。弟の妻ではありません。夫です。男の旦那です。同性愛です。
世界中で徐々にその存在が認められてきている同性愛者。
本人達ももちろん大いにその環境に苦しんでいるのでしょうが、我々一般人としてもやはり理解し難い異質なものという印象です。
そんなマイノリティだからこそ長年苦しみ続けているのでしょうが。

しかし、10年間会っていない弟が結婚していて、その相手がゴツい外国人だったらどう思うでしょうか。
絶対に戸惑うでしょう。そして少なくともすぐにはその事実を受け入れられないはず。
そんな苦悩の主人公視点で弟の夫という異質なものに対する理解を徐々に深めていく、それが「弟の夫」です。

異質なものだからやはり受け入れ難くて、それでも理解しようとして、しかし全然理解できていなかったことにまた気づいて。
そんな至って真面目な漫画です。
絵も話もわかりやすく、心理描写もはっきり描かれているので取っ付き易いと思います。
機会があるなら、見逃す手はありません。

ただ、作者が作者なだけに、ホントにそのままアッーな展開があってもおかしくないのが恐ろしいところでありますが。 


2巻の感想はこちら (弟の夫 2巻 - 同性愛者の現実を描く問題作)

眠気覚め度 ☆☆