2015年12月

聖骸の魔女 - 魔女を制するのは魔女、そんな魔女との聖約とは!?

「もろうたぞ、そなたの純潔の涙」
nemusame_20151220_006

15世紀ローマ、魔女が跋扈している世界。
そんな中、浄会には「最初の魔女」と呼ばれる12人の魔女が封印されていた。
その魔女の封印を解くのは「聖約」。失われた左手の薬指を戻すことによって「最初の魔女」はその姿を現世に取り戻す。

というのが「聖骸の魔女」です。
記事を書くにあたってもう一度1巻から読み返したのですが、実に面白かった。
1巻だけでも十分面白かったのですが、2巻も読むと相まって良くなりました。

というのも、魔女狩り時代の魔女VS魔女という裏地をしっかり構成しながら、中身はコミカルギャグもありシリアス戦闘もあり可愛い女の子の嫉妬もありとごちそうにごちそうを備えたような力作なのです。


さてさて、この「聖骸の魔女」というのは、上記にも書いた封印された「最初の魔女」のことを指しています。
1000年以上も封印され続けた「最初の魔女」、そしてそれを元にしたコピーと言える現代(15世紀)の魔女が対立するわけですね。
15世紀で大暴れしている魔女達を制するために「最初の魔女」の力を借りていくということになります。

その魔女の力を借りるための契約を「聖約」と呼ぶことになるのですが、その意味はというと、
nemusame_20151220_013

なんですねー。
つまり、「最初の魔女」と聖約するということは結婚そのものをするということになると。



で、上記画像の通り、2人が同時に「結婚」宣言しています。
つまりこれ、12人の最初の魔女の内、既に2人と結婚、重婚していることになります。ニコラくんやっるー。
左側の魔女エゼルバルドの聖約は一番トップの画像の感じ、右側の魔女ウプスラの聖約は、
nemusame_20151220_010
という感じ。見目麗しい。

と、こんな感じで、ひょんなきっかけで「最初の魔女」と結婚していき、敵対する魔女と戦っていくのが「聖骸の魔女」の本筋となります。

さて、そんな戦い方法なんですが、魔女たちは聖約しただけではまだ戦う能力がありません。
戦うための能力を発揮するためには聖約した相手、夫のニコラのあるものを取り込む必要があります。

それが、
涙だったり、
nemusame_20151220_005


血液だったり。
nemusame_20151220_011


そんな夫の体液を媒介に変身していきます。
それが、
nemusame_20151220_007
nemusame_20151220_012





ん?






夫の体液を取り込むと、
nemusame_20151220_005


これになります。
nemusame_20151220_007



これが、
nemusame_20151220_010


こう。
nemusame_20151220_012


カッコ悪くねーかこれ?www


なんつーか、微妙なセンスというかなんというか。
ちょっとしたやられやくっぽく見えてしまうというか。
何よりも、もともとの格好がすごいカッコよくて美しいからこそこの姿に違和感感じるというか。


だってこれが、

nemusame_20151220_014


こうよ?www
nemusame_20151220_015

とりあえずウプスラは足閉じてwww

もうダメだった、読み返した時、この真面目なシーンとこのギャップでひたすら笑ってしまった。
しかもシナリオ的には変身シーンはバトルの重要シーンだからね。
「最初の魔女」の強さ的に変身すれば勝ち確定みたいなもんだから、今後はどうやって変身するまで持っていくかという話がメインになりそうなくらいだしね。
だのに変身シーンはこれだからね、笑わないわけないね。


まあ敵が攻撃してきた手を弓矢で撃ち抜くくらいすごいんだけどね。
nemusame_20151220_008



思わず変身シーンでバカにしてしまいましたが、その実中身は本当に面白い作品です。
最初に書いたようにシリアスシーンも多いけれども、それと同等くらいのペースでコミカルな展開あり、重婚ゆえの嫉妬ありで見ててニヤニヤしてしまうシーンも多いです。
そのバランスが秀逸で、非常にテンポがいい。サクサク読み進められる要因ですね。

特に2巻の、ニコラの怒りを起こすためにニコラの目の前でエゼルバルドが拷問を受け続けた時なんてグッときましたね。


エゼルバルドのこの台詞からニコラは思わず涙を流し、
nemusame_20151220_017



女としての喜びを味わった結果、
nemusame_20151220_018


涙飲むんだから。
nemusame_20151220_019


もちろんこのあとにめちゃくちゃアドべント(女神変成)ですよ!
シリアスな流れでいきなり涙べろんべろん舐めてあの変な格好になるんだから笑わないわけないだろ!!(言いすぎ)

たぶん作者も大真面目に描いているんだろうけど、最初の設定からどうしても笑いに変化してしまうというこの流れが恐ろしい。
というか、こういう穿った見方をしないとそうそう笑ってしまうシーンではないんですけどね。
現に最初に読んだ時は全然違和感感じなくて笑いもしなかったし。


とまあ、こんな感じの作品です。2巻の最後の方では3人目の「最初の魔女」の棺も登場し、
nemusame_20151220_020

まさかの三重婚をほのめかされて、
しまいにゃ

nemusame_20151220_021

と、笑顔で棺桶破棄を提案するエゼルバルド。
こんなん笑うわ。だって見開きでこの笑顔で疫病神は捨ててしまえって言ってるんだもの。笑わないわけがない(反語)


でも最終的には

nemusame_20151220_022

三重婚しちゃうんだけどね!!



とまあこんな感じで終始バカにしてしまっているような感じですが、非常に面白い作品だと思います。
1巻だけじゃそこまで魅力感じないかもしれませんが、2巻まで読んで、そして読み返したら一気に面白いと感じました。
個人的にはこういう作品好き。
何より、暗い時代で描かれがちな中世の魔女の話をここまでコミカルにシリアスに表現したという点がグッドです。
当然ながら次巻も楽しみですなあ。


3巻の感想はこちら (聖骸の魔女 3巻 - ミュリッタとの3号聖約、そして早くもアダンテとのバトル勃発!!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

辺獄のシュヴェスタ 2巻 - 復讐の時までその牙を磨き続ける

祈る者は目を閉じる。しかしその時、考える者は目を開いているのだ。
nemusame_20151220_000

修道女復讐劇「辺獄のシュヴェスタ」の2巻は復讐を果たすためにひたすら修道女であることを徹しながらその時へ向けて準備する話でした。

特に重要として扱われていたのが食事。前巻の時点で食事にクスリが盛られていることに気づいたエラ達ですが、その食事を吐き、別の手段で食事をしようとします。
そんなこんなで、修道院の外の森に脱出する方法を確立し夜の森で食べる食事はというと、


虫だったり
nemusame_20151220_001
 

ネズミやカエルです。
nemusame_20151220_002

うーん、この修道院で立派な食事が出るのにサバイバル。
復讐するためとはいえ、ここまでしなければならないのがどれだけ大変なことか。
ってか虫とかネズミ食って大丈夫なのかよ。たんぱく質うんぬんの前に寄生虫とか病気がやばいと思うんだが。

とはいえ、途中でひょんなことがあって、
nemusame_20151220_003
魚も食べられるようになりましたね。よかったよかった。


この魚の流れは修道院が石灰を作っているということから得た技術となります。 
実はこの石灰の流れが、修道院の役目と、時代背景を大きく表しています。

それが、こういった技術や医療技術は修道院内のみに封じられて、一般知識としては普及していないこと。

上流階級による知識の独占ということですね。
今なら考えられませんが、当時としては明確に階級を分けるためにも必要なことだったはずです。
こういう修道院の政略的なところも見えてくるのはいいね、どうして修道院がこんなにも大きな意味を示しているのかを上手く表現しています。

また、後半ではそんな修道院に対して個別に恨みを持っている暗殺者なんかも出てきたりして、いよいよ舞台の回りも動き出したという感じです。

その中で徹底的に強くたくましく育っていくエラは、本当に実直で合理的で手段を選ばなくてすごい。
周りに流されること無く、その復讐を果たすためだけに生活、行動していく。
続きも実に楽しみであります。


以前のレビューはこちら (辺獄のシュヴェスタ 1巻 - 魔女、修道、復讐)

3巻の感想はこちら (辺獄のシュヴェスタ 3巻 - 拷問成分多目でお送りいたします)

眠気覚め度 ☆☆☆☆


乙嫁語り 8巻 - 遂にパリヤの花嫁修業開始、相変わらず凄い書き込みに酔いしれろ!

初期からのアミルの友人パリヤが遂に花嫁修業編に突入!
nemusame_20151217_008

というわけで、私の大好物の「乙嫁語り」8巻が発売されましたね!
いやー、今回もえがったえがった。全編通してパリヤの花嫁修業編で、あの人付き合いが苦手で素直になれないパリヤのあんな姿やこんな姿がたっぷり見れるわけです。
パリヤはこの作品の中では絶対に人気のあるキャラなので、これにはファンも大満足でしょう。

というのも、あの人付き合いの苦手な性格というのが、すごく人間臭くて親近感が沸きやすいんですよね。
本音では仲良くしたいのに恥ずかしさから思わず突き放しちゃったり、好きな子に良く見られたいから一生懸命淑やかな女の子を演じようとするんだけど、思わず根のアグレッシブな性格を見られて落ち込んだり、もうたまんない。よだれ出るわこんなの。


そして相変わらずのもの凄い書き込み。
特に今回はパリヤの花嫁修業編ということもあって上図の様な刺繍のシーンがわんさかあるのですが、それがもう凄いこと凄いこと。あんなん刺繍じゃなくて描いても無理だわ。 

いやー、それにしてもいいな、パリヤ。いままでで一番好きな花嫁になるかもしれん。次点は双子。
特に、以前の町の襲撃のせいでパリヤの家が被害にあったためにアミル達の家に居候することになり、そこでひいばあさんから花嫁修業の何たるから刺繍から教えてもらえるという環境が最高。

つまりですね、花嫁修業という要素がそのままパリヤの修行物語となるわけですよ。
まさにドラゴンボールの亀仙人の下の修行のようなものですよ。ロトの紋章の賢者カダルの修行なわけですよ。
花嫁修業とはいえ、そういった成長要素を入れてくるのは素晴らしい!

自分の好きな傾向として人間臭いは散々言っていますが、そのほかにも最初はへたれなのに徐々に成長していく、その努力が垣間見えて最終的に周囲から絶大な信頼感を得るというサクセスストーリーが大好きなんです。
今まではこの作品はどちらかというとそういった要素が少なめだったのですが、まさか人気キャラのパリヤがそれを担うことになるとは!
ホント最高。夢みたい。早く続き読みたい。


そしてそして「乙嫁語り」といえばやっぱり食事シーン。
実は私、乙嫁語りを読み始めたのはひょんなきっかけで3巻か4巻あたりの食事シーンを見たためです。
乙嫁語りの食事シーンは丁寧に描かれるからホント美味しそうだし、何より食事中のキャラが本当に楽しく幸福な顔で食べてるのが心を穏やかにしてくれます。

そんな食事シーン、今回も少量ながらあるので、一気に貼っちゃいます!活目せよ乙女達!!

鳥モモ肉部門をパクり!!
nemusame_20151217_003


この大量の大皿。これこれ、こういう豪勢な食事が好きなんですよ。
nemusame_20151217_004


完食!美味しそうにいっぱい食べる女の人ってホント魅力的。
nemusame_20151217_006


こっちはアミルとカルルクのキャンプから。その場で取った鳥肉というだけでなく、アミルの笑顔が本当に心から食事を楽しんでいることが伝わってきて見てるこっちも嬉しくなりますね!
nemusame_20151217_007


一家団欒。いいなー、毎日こうだったらホント楽しいだろうな。
nemusame_20151217_009



というわけで、次巻も楽しみ!

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


進撃の巨人 18巻 - 久しぶりに進撃した今回は面白さと勢いが戻ってきた!

ウォールマリア最終奪還作戦開始!内部のいざこざはひとまずクリア、次は巨人と再戦!!

前巻の17巻までの展開は毎回それまでの展開を忘れるくらいの流し読み程度だったんだけど、18巻の始まる巨人との再戦の流れは熱くなれますなあ。 

nemusame_20151217_000
 

これまでの内部のいざこざどうこうも話の深みを増すには良かったのかもしれないけど、やっぱりこの作品の一番面白いところは初期の絶望的なまでの強さの巨人とのバトルなわけですよ。
簡単に殺され、人間側も弱点を突くことで反撃していく様はたまらないですなあ。
次巻から戦いも本格化してアッカーマン兄妹対ベルトルトとか、エレン+サシャ+ジャン+コニー対ライナーとか、そういった対決も始まるはず。(組み合わせは完全な妄想だけど)
アルミンは軍師タイプだから全体の指揮と猿相手かな。

それにしても、ここまで長かったなあ。
ことこの戦いだけに焦点を当てると、結局解明されないままのエレンの秘密と巨人化で壁を塞ぐ方法を得るためだけの長い進撃しない巨人だった。
それだけ我慢して、正直惰性で読み続けてたけど、ようやく面白さが戻ってきた。

nemusame_20151217_001


いいねいいね、こういうのを待ってたんだよ!次も期待!


19巻の感想はこちら (進撃の巨人 19巻 - 18巻に続いて今回も面白かった!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

2016年週刊スピリッツ3号ざっくり感想

2015/12/14 週刊スピリッツ3号のざっくり感想となります。
月曜から日付変わるまで働かされたせいで昨夜は読むことすら出来ませんでした。
そして遂に連続更新もついえることに、トホホ。。。

それでは今回も適当にいってみましょー


■土竜の唄
  決着からのピンチを救う流れ!このお決まりの展開!お約束!何もひねってこない!だがそれがいい!
  
■くーねるまるた
  闇鍋って楽しいのか?まともにおいしいもの食おうぜ。
  
■あさひなぐ
  真春視点の話も面白いだろうなあ。そっちメインのシナリオも見たいところではある。
  
■しあわせアフロ田中
  田中の気持ちもわかるけど残り湯にはあんまり興味ないなあ。
  
■忘却のサチコ
  ローメン美味そうだな。。。
  
■アイアムアヒーロー
  とっとと行け(投げやり
  
■天そぞろ
  おおっと、先週と比べて一気につまらなくなった、いや、戻ったのか。
  
■トクサツガガガ
  ファンレターとか書いたことないな。なんか実際に思いを伝えるのはちと恥ずかしい。
  
■王様達のヴァイキング
  宣戦布告ってとこかな。
  
■ダンス・ダンス・ダンスール
  この調子なら来年の「このマンガがすごい!」の候補になるはず。冗談抜きに面白い。
  展開は大体予想通りやね、ラスト以外。 
  
■アオアシ
  11対21のサッカーとかこれサッカーなのか?
  
■世界はボクのもの
  この編集者の女デトロイトメタルシティの社長と同じタイプじゃねーかwww
  
■100万円の女たち
  0が2個少なかったら僕も買いたいです。
  
■シェアバディ
  うーん、イタい。
  
■夕空のクライフイズム
  滝の全力!!キャプテン翼じゃねーんだぞこれ!!
  
■僕はコーヒーが飲めない
  エスプレッソに砂糖たっぷりは試してみたい!!
  
■団地ともお
  クリスマスにプレゼントをもらえるのが当然だと思うなよ!!
  
■させよエロイカ
  うーん、この作品需要あんのかな?掲載誌を間違えてるような。
  
■ふろがーる!
  これは道後温泉行ってみたくなる!
  あと作品でも出てきた今治のタオルを最近買ったんだけど、高級ホテル感があってスゲー使い心地良い。 
  今ならAmazonで半額で買えるからおすすめ。 
  
■村上海賊の娘
  グルメ回!いままでと比べて面白かった!



ぼくは麻理のなか 7巻 - ようやく話が動き出した麻理の秘密

「あなた…誰?」
nemusame_20151210_006

前巻6巻は小森の痛々しさにちょっと感想を書けなかった「ぼくは麻理のなか」ですが、
7巻はおそらく今までで一番の急展開、話が一気に加速していきました。 

これまではひたすら麻理になってしまった小森のとまどいや女子高生話がメインでしたが、前巻の6巻から現在の小森と接触するなど段々と核の話が進んでいきました。

なぜ突然小森が麻理の中に入ってしまったのか?今の小森はなんなのか?麻理はどこに消えたのか?
その事実はまだ解明されていきませんが、この7巻で初めて麻理の心の闇に触れていくことになります。

という感じで、ゆっくりとだけど話自体は急展開していきましたね。
小森の心境の変化も面白くなってきたし、次巻も一気に展開しそうな感じ。

それにしても、相変わらず心理描写が上手い。自分の好きな、絵を見ただけで場面、感情が想像できる表現が多い。それに手間を掛けてるからこそこの遅いペースだというのもうなずける。

でもここまで来るのに7巻かー、このペースだと終わるまであと何巻掛かるんだろうか。


8巻の感想はこちら (ぼくは麻理のなか 8巻 - 怒涛の急展開!!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

ハピネス - 押見修造が書く現代吸血鬼物語

「いやだ死にたくない!!死にたくない!!!」
nemusame_20151210_005

惡の華 」や「ぼくは麻理のなか 」の押見修造の最新作、「ハピネス」は現代吸血鬼物です。

夜に町へ出歩いていたら吸血鬼に襲われ、このまま死ぬかそれとも同じになって生きるかという選択を迫られる岡崎誠。
そして生きるという選択をした誠は知らず知らずの内に血に反応するようになったり、日に弱くなったり、ふとした瞬間にとてつもない力を発揮できたりの状態で生活に戻るわけです。

そんな不意に不思議な状態になってしまった少年の話しですが、それと実生活を絡めた話がなかなか面白い。
いじめっ子が、ふとしたきっかけで誠に助けられて、心を許して仲良くなっていくくだりは読んでいてほっこりする。
逆にその光景を見ていた、一緒にいじめられていた相手が段々と誠に対して負の感情を持っていくというのも実に人間くさい。

それでいて、しっかりとベースになる吸血鬼話も進んでいるのがいいね。
1巻だとそんなにって感じだったけど、2巻読んで、上記のようなほっこり展開もして、一気に面白くなってきました。
急展開した終盤の引きのまま3巻も待ち遠しい!


3巻の感想はこちら (ハピネス 3巻 - 吸血鬼の孤独と葛藤)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

かつて神だった獣たちへ 3巻 - 戦時中の英雄と戦後の悪魔と

戦争に行ったお父さんは、
nemusame_20151210_000




竜になって帰ってきました。 
nemusame_20151210_002





そんな戦時下の英雄と、戦後のその立場を扱った「かつて神だった獣たちへ」の3巻となります。
率直に言うと、1,2巻よりも面白かったです。

というのも、今回顕著に見え隠れしたのが人間の悪意。 

この作品、戦争時に擬神兵として竜や狼のような獣、いわゆる魔獣になった人間達が、戦後にはその姿を戻すことが出来ず、理性も無くなり、本当にただの獣に成り下がってしまうというところがメインのストーリーとなっています。
理性も無いので家畜や畑、はたまた村も襲ってしまうものもいれば、理性は保っているものの、平和になった世界の人間達が自分達に向ける悪意、敵意のせいで敵対視してしまっているものもいます。

もう書いてしまいましたが、その人間の悪意が顕著に現れてきたのです。

元々、戦争を治めるために犠牲の心で獣になって戦った人間達。
しかし、戦争が終わると、戦争に行かなかった人間は手の平を返したように彼らを腫れ物のように扱います。
こういう心情の変化、人間の弱い心、こういう人間臭い表現が実にたまらない。大好物です。

nemusame_20151210_003

彼らも頭の中では理解しているのです、擬神兵になった人たちのおかげで平和が訪れたことを。
しかしまた、戦争から帰ってきた、理性を失った擬神兵が彼らの畑や家畜を襲うことで被害を受けていることも事実です。

そんな相反した事実が織り交ざると、人間は現状の回復をするように行動するのは必然です。過去に縋っても意味は無いですから。
だからこそ、未来へ向けてしなければならないことと、過去に対しての感謝と敬意とが入り混じった結果、どうしようもなくその感情をぶつけることとなるのです。

こういう話ホント好き。こういう展開があったから1,2巻よりも3巻が面白かったです。


また、大筋のシナリオもいい感じに展開してきましたね。
元々戦争を終えて平和になった国で、擬神兵の扱いについて対立が起こり国が分断される。
そしてそれぞれの国で対立するのは親子である。うーん、ドロドロしてきたなあ。


というわけで、3巻になってグッと面白くなってきた「かつて神だった獣たちへ」、続刊も期待です!

前巻までのレビューはこちら (かつて神だった獣たちへ - 力を持ちすぎた兵士の戦後の末路)


眠気覚め度 ☆☆☆☆


モンテ・クリスト伯爵 - 巌窟王モンテ・クリスト伯爵が超美麗な絵で蘇る

世界的に有名な傑作「モンテ・クリスト伯爵」のコミカライズは1巻に集約された珠玉の力作!

モンテ・クリスト伯爵。日本版では巌窟王というタイトルで有名な世界中に知られる名作。
みなさんも一度はその名前を聞いたことがあるでしょうし、原作を読んだことがある方も多いと思います。
そんな有名作を原作にするのですから、面白さはほぼ確約されるというものです。
あとはそれをコミカライズする力量。如何に面白く、如何に漫画的表現でその世界を表すのか。 

実はこの作品、あとがきにも記載されていたのですが、作者の森山絵凪の初単行本となるようです。
そしてその画力、表現力は如何ほどなのか?

nemusame_20151207_008

これですよこれ、圧倒的な画力。本当に新人かと疑ってしまうほどの緻密さ。
まずコミックを開いて最初の絵が飛び込んできたので正直度肝を抜かれました。
この緻密さ、表現に圧倒されたのです。この時点で絵の方は文句のつけようがなくなりました。


序盤の復讐を誓うまでの流れも秀逸で、一気に引き込まれることになります。

牢獄での怒りを曝け出すシーンとか、
nemusame_20151207_005


脱獄してモンテ・クリストの財宝を手に入れて復讐を誓ったシーンとか、
nemusame_20151207_007

というように話の中の絵もイケてるしね。
あれだけ緻密なのに、ホント読みやすい。すごく漫画向けの絵になっています。


特にメルセデスと再開したシーンの見開きとか凄く素敵。

nemusame_20151207_009

台詞などいらない、絵だけでそのシーン、そしてそれぞれの感情まで読み取れてしまう。
そういう私の大好きな漫画表現もばっちり描ききれています。
こういう作品に出会えることは本当に嬉しい。



そしてまた、話自体も展開が上手い。
元々全7巻の小説を1冊のコミックにまとめてるわけですから、様々な箇所を端折らなければならないわけです。
それなのに、抑えるところはしっかり抑えています。一部やはり「ん?」となるような展開はありましたが、それほど気にはなりませんでした。
逆に1冊で終わらせるためにポンポン進むので展開の早さ、疾走感は抜群です。

逆に言えば、原作を知っている人に取っては物足りない感じでしょうか。
かくいう私は原作は未読ですが、端折った話があるのであればもっと丁寧にしっかりと、この作者、森山絵凪さんの絵で読みたいところです。
それくらい、この作品は凄かった。だらだら長く描くよりもずっといい。本当に眠気が覚めたこれは。


というわけで、モンテ・クリスト伯爵が未読でも既読でもオススメです。
1冊でまとめられたこの作品、漫画好きには是非とも読んでいただきたい。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


 

Kindleのまとめ買いセールがすごい! (2015/12/4-2015/12/15まで!)

Kindleのまとめ買いセールがすごい!30%~50%オフばかり!この機会に読みたかった漫画を一気に購入だ!
(2015/12/4-2015/12/15まで)


というわけで、前回のニコニコフェアに続き、今度はまとめ買いフェアです。


特設ページはこちらからー
【最大50%OFF】Kindle本まとめ買いセール


今回も前回同様、オススメ本を一気に列挙していきます。
福本伸行作品や土山しげる作品など目白押し!
ではではどうぞー



■幕張

オススメ度 ☆☆☆
伝説のギャグ漫画!青春を思い出したい方に!


■天-天和通りの快男児

オススメ度 ☆☆☆
赤木の方が有名だけどそもそも赤木が出てきた傑作。
内容としては赤木よりこっちの方が好き。東西対決は本当に読み応えがある。
だけど最近新装版出てきてるんだよなー。読みだけならこっちでもいいと思います。


■最強伝説 黒沢

オススメ度 ☆☆☆☆☆
福本伸行の傑作ギャグ。手放しで大笑いできる。人生に疲れた人にオススメ。


■新黒沢 最強伝説

オススメ度 ☆
ただのホームレス駄洒落漫画として凋落してしまった作品。
だけど目が離せないのは、ファンゆえなんだろうなあ。


■銀と金

オススメ度 ☆☆☆☆☆
カイジよりもこっちの方が面白い。未完であることと、最後らへんのサバイバルが全然ギャグじゃないところが惜しい。


■アカギ-闇に降り立った天才 (1-25)

オススメ度 ☆☆☆☆
ワシズ麻雀の引き伸ばしまでは面白い。


■賭博黙示録カイジ

オススメ度 ☆☆☆☆☆
一番面白いカイジ。Eカードは傑作。


■賭博破戒録カイジ

オススメ度 ☆☆☆☆
地下チンチロまでは面白いカイジ。チンチロの爽快感はカイジ一。

■賭博堕天録カイジ

オススメ度 ☆☆
最悪の17歩を展開するカイジ。しかし17歩の悪夢など、後発の悪夢に比べればまだまだ序の口だった。。。


■賭博堕天録カイジ 和也編

オススメ度 ☆
最悪の17歩を凌駕したボタン押しゲームが展開されたカイジ。
17歩を越える最悪の展開が待ち構えてるとは誰しもが予想しなかった。
だけど最初の和也の本の話は割りと面白い。


■賭博堕天録 カイジ ワン・ポーカー編

オススメ度 ☆☆
まだ完結してないけど、最新9巻では引き延ばしが始まったワンポーカー編。
カイジの弾が尽きたくらいまではまだ読めた。


■賭博覇王伝 零

オススメ度 ☆☆☆
綺麗なカイジ。謎解きは面白いんだけど、毎回毎回死を賭けてるので緊張感が無くなってしまった感。


■賭博覇王伝 零 ギャン鬼編

オススメ度 ☆☆
ポーカーくらいまでは面白かった。ジジイの謎解きが始まってから完全にただのパズル漫画に成り下がった。


■Wizard's Soul

オススメ度 ☆☆☆
買ったけどまだ読んでませんごめんなさい。オススメ度適当です。


■ホークウッド

オススメ度 ☆☆☆☆
騎士道と傭兵物語。なかなか面白い。


■天空の扉

オススメ度 ☆☆☆☆☆
いつか特集組みたいと思ってずっと書けてない作品。
勇者が敵になるという展開で、武器の射程という概念も取りこむ意欲作。
論理的に展開するので非常に読み応えのある作品。本当にオススメ。


■鉄鍋のジャン

オススメ度 ☆☆☆☆
やっぱり面白いねこれ。勢いの作品でもあるけど。


■中卒労働者から始める高校生活

オススメ度 ☆☆☆☆
記事を書こう書こうと思って書けてない作品。
定時制高校に働きながら通う18歳が主人公の作品だけど、最近は定時制とかあまり関係ない話になってきたような?


■大東京トイボックス

オススメ度 ☆☆☆☆☆
ゲーム会社とゲーム製作がテーマの傑作。前作東京トイボックスも面白かった。
まずは前作が2巻と短いのでそれから読むのがオススメ!


■食キング (1-25)

オススメ度 ☆☆☆
これぞ土山しげるワールド。突飛な料理修行に「質問は一切受け付けん!!」と切り捨ててしまう勢いの作品。
終盤は宗教染みた展開もあるが、意外とすんなりと読み進めてしまう怪作。長いので買うなら今!


■極食キング

オススメ度 ☆☆
食キングの続編だが、果たしてこれを続編としていいものかどうか。
前作同様つぶれかけの店を再建修行と称して突飛な修行をして「質問は一切受け付けん!!」と切り捨て、最後にはその店の名物を駄洒落で押し付けていく作品。
例えば、
 - 舞妓さんが友人の店の再建をお願いしてできたのが「MY 好飯」(まいこうはん)
 - 冷やし中華の再建で「癒し中華」
 - 鯛を使ったラーメン「ようこそ松山ご鯛麺」
ついでにライバルに織田獅子丸が出てきて奴は「ふぐ(てっぽう)を使って天下取りじゃ!」という始末。
まあ、まともな料理漫画としてじゃなくて、駄洒落で構成された土山ワールドを見るという意味では最高の作品である。
特に一番最後の再建は必見。何回読んでも意味がわからなくて、シュールすぎて、ひたすら笑いが止まらない。
コンビニ本では一部台詞が改悪されていたのだが、どうやらこのKindle版も改悪されていたもののよう。
友人に託した紙版だけか、あれが読めるのは。。。


■喰いしん坊!

オススメ度 ☆☆☆☆
大食い漫画と侮るなかれ、地味に面白い力作。
ラーメン2丁食いやカツ丼の大食いなど妙に論理的に大食いに挑戦した意欲策。
私の土山しげるはここから始まりました。


■大食い甲子園

オススメ度 ☆☆
大食いを高校の部活というやってしまった感満載の作品。
前作「食いしん坊」が正道食いと邪道食いの全面対決という描き方をしていた一方、今作では全面的に正道食いなので上手いこと勝負を盛り上げることが出来なかった。
というか食いしん坊であらかた大食いやったのに続編やるとかがそもそも無理あるんだよwww


■ばくめし!

オススメ度 ☆
ギャンブル×料理。途中の読むのやめた記憶が。


■邪道

オススメ度 ☆
未読。最初はラーメンだが終盤はラーメンまったく関係なしという噂。
コミック出ないかもという話だったけど出たんだね。闘飯は出なかったのにね。


■陣内流柔術流浪伝 真島、爆ぜる!!

オススメ度 ☆☆☆
地味ーに読みたいと思ってもなかなか読めてない作品。
ジャンプでやってたのは好きだったんすよ。


■突撃!パッパラ隊

オススメ度 ☆☆☆
子供の頃は好きだった作品。だけど今となって見ると果たして。。。


■楽屋裏-貧乏暇なし編-

オススメ度 ☆☆☆☆☆
これぞラクに読める作品筆頭!!
魔神ぐり子の作品はまともな作品はそんなに面白くないがこのエッセイは本当に面白い。
何も考えずゲラゲラ笑いたい人にオススメ!


■リバースエッジ 大川端探偵社

オススメ度 ☆☆☆☆
裏世界が絡むような、それでいて暗くなりすぎない程度に話が展開されるショート物。
こういう世界観好きなんだよなあ。


■ワシズ 閻魔の闘牌

オススメ度 ☆☆☆☆☆
天のスピンオフのアカギのスピンオフのワシズ。
ワシズ様が主人公の9割ギャグ漫画。超人ワシズ様で笑い苦しめ!!


■ICHIGO

オススメ度 ☆☆☆
殺人を犯してしまった小学生は、、、という問題作。
ひょんなきっかけで読み始めたら予想以上に面白かったので。


■ももえのひっぷ

オススメ度 ☆☆☆
コージィ城倉は「おれはキャプテン」や「グラゼニ」だけじゃないぞ!
タイトルに反して、山の話や中国情勢も絡んだ怪作。何度も読み返すことはないけど、一読すべし!


■丼なモンダイ!

オススメ度 ☆☆☆
丼メインの料理漫画。全2巻でサックリ読めるぞ!


■現代魔女図鑑

オススメ度 ☆☆☆☆
サヤビトの伊咲ウタの作品。オムニバスなので読みやすいです。


■ネイティブはこう使う!

オススメ度 ☆☆☆
自分の英語の勉強のために買っただけなんです。
全部合せて100円で買えたからね、安いよね、90%オフでしたよ。


■34歳無職さん

オススメ度 ☆☆☆
未読。ちょっと気になったことあるけど買うまでは。。。
未読なのでオススメ度3です。



書ききってから思ったけど、これほとんど福本伸行と土山しげるの特集になってんな。。。 
スピリットサークル完結!!
今のイチオシ!!
少し前のイチオシ!!
結構前のイチオシ!!
タイムリープサスペンス!!
ゲームとギャグが好きなら!
漫画もいいけど山賊もね!
Twitter
日々読んだ漫画の感想を中心に記事を更新していく予定です。例外はあるかも。 記事更新と同期していますので、フォローしていただければ随時通知されます。
記事検索
応援してますその1
応援してますその4
応援してますその5
2016年12月発売のオススメコミック

メッセージ

名前
メール
本文
  • ライブドアブログ